突然ですが今度こそサヨナラだぜのお知らせです
もう5年くらい経つのかな。
会社の車庫に一匹の子汚い野良猫がウロウロしてるのを発見した。
近所の野良猫の親分であろうその目はギラギラに輝いていた。
人にはもちろん寄り付かないし、おっかねー野良猫だった。
いつも車庫で待機している運転手さん(義夫)の横をちょこちょこと通り過ぎる。
義夫「しっ!!しっ!!」
僕「いじめちゃダメだよ!!」
義夫「だめだこいつはそこらへんでションベンするから」
僕「ほら!怒られるから早く逃げろ!!
ヨシオ!!逃げろヨシオ!」
義夫「おい!!変な名前つけんなよ!!」
野良猫の親分をこの日『ヨシオ』と名付けた。
それから少したって五十六を拾い、飼うことになり・・・
でかくなるにつれ
ヨシオそっくりやないかーい!!
むしろヨシオカラーやないかーい!!
猫を飼うという日常に慣れてきて、いつのまにかヨシオにもエサをあげるようになった。
それにしてもまったくと言っていいほど可愛くない。
目つきが悪いのはきっと毎日戦ってるからだろう。
持つ者にねだらず、強いものに媚びず、一人で生きてきた漢の目をしている。
そしてそんな漢を人に媚びながらねだりまくりながら、そのくせたまに噛みつくという暴挙を働きながらぬくぬくと甘ったるい人生を送る五十六が見つめる。
五十六『おじさん誰?汚いよ!!』
ヨシオ『お前のオヤジじゃいボケー』
エサをあげるようになったら偉そうに毎日会社に来るようになった。
会社の裏で強姦もしていた。
なぜか目つきからVシネの世界観を生み出そうとしている。
友達も勝手に呼んで来るようになった。
気づけば勝手に日栄交通の行燈になろうとしていた。
誰の子かわからないちび猫と一緒に過ごした。
運転手さんとも仲良くなった。
センスの独特な常務におもちゃにされることにも慣れた。
冬は寒いからって栗の家を買ってもらった。
何とか冬の寒さには耐えたけど、会うたびにやせ細っていった。
栗の家にヨシオがいないことが多くなってもう1カ月くらい経つだろうか。
きっとサヨナラだ
動物は人知れず死のうとするんだってね。
誰にも見られないところで。
隠れて死ぬんだって。
こないだ事務所の入口の網戸をカリカリする音がして、もしかしたらヨシオがエサをねだりに来たのかなって思ってドアを開けたけどただの風だったみたい。
栗の家もたまに見てみるけどもちろんヨシオが寝てることもなく
でもまたいつかふらふらっと現れて
運転手さんにエサもらって
栗の家で寝てたりするのかもしれないけど
きっとサヨナラだ。
だってあいつは漢の中の漢だから(・_・)
ヨシオフォーエバー